オンライン診療の処方箋と薬の受け取りフロー — 院外処方・院内処方・配送の選び方

オンライン診療の処方箋と薬の受け取りフロー — 院外処方・院内処方・配送の選び方

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Lオペ for CLINIC 編集部
公開:
9分

この記事でわかること

  • オンライン診療後の処方フローは「院外処方」「院内処方+配送」「薬局連携配送」の3パターン
  • 自費診療では院内処方+配送モデルが主流で、患者の利便性とクリニックの収益性を両立しやすい
  • 配送スピードと追跡機能の有無が患者満足度を大きく左右する
目次

オンライン診療を受けた患者が最も気にするのは「薬をどうやって受け取るか」です。対面診療であれば院内処方でその場で薬を受け取るか、処方箋を持って近くの薬局に行くだけですが、オンライン診療では処方箋の送付方法・薬の配送手段・到着までの時間など複数の検討事項があります。本記事では、クリニックが採用可能な3つの処方フローを整理し、それぞれのメリット・デメリットと選定基準を解説します。

処方フローの3つのパターン

オンライン診療後の処方から薬の受け取りまでのフローは、大きく3つのパターンに分類できます。それぞれ法的な取り扱い、クリニックの運用負荷、患者の利便性が異なるため、自院の診療科や患者層に合わせた選択が必要です。

1

パターンA: 院外処方

処方箋を患者指定の薬局にFAX/郵送 → 患者が薬局で受け取り

2

パターンB: 院内処方+配送

クリニックで調剤 → 薬を患者の自宅へ直送(自費診療のみ)

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パターンC: 薬局連携配送

処方箋を連携薬局に送付 → オンライン服薬指導 → 薬局から配送

保険診療では原則としてパターンAまたはCを選択します。自費診療ではパターンBが主流であり、AGA治療やピル処方などの定期処方型クリニックの大半がこのモデルを採用しています。パターンCは2023年以降、オンライン服薬指導の規制緩和に伴い利用が拡大しています。

院外処方:処方箋を薬局に送るフロー

最もオーソドックスなフローが院外処方です。医師がオンライン診療で処方内容を決定した後、処方箋原本を患者指定の薬局にFAXまたは電子送付し、患者が薬局に出向いて薬を受け取ります。処方箋原本は後日郵送、または患者が来院時に受け取ります。

このモデルのメリットは、クリニック側の運用負荷が最も低い点です。調剤・在庫管理・配送の手間が一切発生せず、処方箋の発行のみで完結します。また、薬局の薬剤師による対面の服薬指導が行われるため、安全性の面でも安心です。

一方で、患者にとっては「結局薬局に行かないといけない」というデメリットがあります。オンライン診療の最大のメリットである「自宅で完結」が損なわれるため、特に遠方の患者や忙しい患者からは敬遠されがちです。

電子処方箋の今後

2023年から運用が開始された電子処方箋が普及すれば、処方箋原本の郵送が不要になります。電子処方箋の最新動向と導入ステップも併せてご確認ください。ただし、2026年3月時点での対応薬局はまだ限定的であり、全面的な移行には数年を要する見込みです。

院内処方+配送:クリニックから直送するフロー

自費診療のオンラインクリニックで最も一般的なのが、クリニックで薬を調剤し、患者の自宅に直接配送するモデルです。患者は診察から薬の受け取りまですべて自宅で完結するため、利便性が最も高いフローです。

クリニック側のメリットとしては、薬剤にマージンを乗せられるため収益性が高い点が挙げられます。院外処方では処方箋料しか算定できませんが、院内処方では薬剤費にクリニックの利益を含めた価格設定が可能です。具体的なオンライン診療の料金相場と費用設計についても把握しておくとよいでしょう。

ただし、在庫管理・梱包・発送のオペレーションが発生するため、スタッフの業務負荷とコストを考慮する必要があります。月間100件を超える配送が発生する場合は、配送業務の外部委託や、予約管理と連動した配送管理システムの導入を検討すべきです。

翌日〜2日

一般的な配送リードタイム

370〜520

レターパック(薬剤送付)

700〜1,000

宅急便(冷蔵品含む)

100件〜/月

外部委託検討の目安

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薬局連携配送:オンライン服薬指導+薬局配送

3つ目のパターンは、クリニックが処方箋を連携薬局に送付し、薬局がオンライン服薬指導を行った上で薬を患者に配送するモデルです。保険診療でも自費診療でも利用可能であり、クリニックの調剤・配送負荷をゼロにしながら、患者の自宅完結を実現できます。

2023年の薬機法改正により、オンライン服薬指導の要件が緩和され、初回からオンラインでの服薬指導が可能になりました。オンライン服薬指導の制度要件と薬局連携の実務についてはこちらの記事で詳しく解説しています。これにより、保険診療のオンライン診療で「薬局に行く手間」が課題だった点が大きく改善されています。

課題は、連携薬局との調整コストと、薬局側のオンライン対応状況にばらつきがある点です。また、配送リードタイムが薬局の対応スピードに依存するため、クリニック側でのコントロールが難しくなります。大手オンライン薬局と提携するクリニックが増えていますが、地方ではまだ選択肢が限られる場合があります。

3パターンの比較と選定基準

比較項目院外処方院内処方+配送薬局連携配送
患者の利便性低い(薬局に行く必要)最も高い(自宅完結)高い(自宅完結)
クリニックの運用負荷最も低い高い(在庫・配送管理)低い(薬局に委託)
収益性低い(処方箋料のみ)高い(薬剤マージン)低い(処方箋料のみ)
保険診療対応可能原則不可可能
自費診療対応可能可能(主流)可能
配送リードタイム即日(薬局受取)翌日〜2日1〜3日
適した診療科保険全般AGA・ピル・ED等保険+自費併用

選定の基本方針として、保険診療中心のクリニックはパターンAまたはCを選択し、自費診療の定期処方を主力とするクリニックはパターンBが最適です。保険と自費を併用するクリニックでは、保険はパターンC、自費はパターンBと使い分けるハイブリッド運用も有効です。

配送オペレーションの実務ポイント

院内処方+配送モデルを採用する場合、配送オペレーションの効率化が収益に直結します。以下の3点は、配送規模が拡大するにつれて重要度が増すポイントです。

1. 配送ステータスの可視化。患者に「いつ届くか」を伝えられないクリニックは、LINEやメールでの問い合わせが急増します。追跡番号を自動通知する仕組みを導入すれば、問い合わせ件数を大幅に削減できます。

2. 定期配送の自動化。AGA治療やピル処方など、毎月同じ薬を配送するケースでは、決済と配送のタイミングを自動化することでスタッフの作業量を最小化できます。予約管理・決済・配送を一元管理するシステムの導入が効果的です。

3. 梱包のプライバシー配慮。特にED治療やピル処方では、外装から内容物が推測されないプライバシー配慮が患者満足度に直結します。品名を「健康食品」や「日用品」とする、無地のダンボールを使用するなどの工夫が標準的です。

配送効率化のヒント

月間50件以上の配送が発生するクリニックでは、配送管理と患者CRMを連携させることで、配送忘れの防止と問い合わせ対応の自動化を同時に実現できます。LINE上で追跡番号を自動通知する仕組みも患者体験の向上に効果的です。

まとめ

オンライン診療の処方フローは「院外処方」「院内処方+配送」「薬局連携配送」の3パターンがあり、クリニックの診療科・保険/自費の区分・運用体制によって最適解が異なります。患者の利便性を最優先するなら院内処方+配送、運用負荷を最小化するなら院外処方または薬局連携が適しています。いずれの場合も、配送ステータスの可視化と患者への適切な情報提供が、満足度と継続率を左右する重要な要素です。

処方フロー選定のチェックリスト

1. 保険診療と自費診療の比率を確認し、メインの処方フローを決定する
2. 院内処方+配送を採用する場合は、月間配送件数と運用コストを試算する
3. 配送追跡の自動通知と梱包のプライバシー配慮を標準化する
4. 定期処方は決済・配送の自動化で運用負荷を最小化する

よくある質問

Q. オンライン診療の処方箋と薬の受け取りフローを始めるために必要な準備は何ですか?

厚生労働省のオンライン診療ガイドラインに基づく届出、ビデオ通話システムの導入、オンライン決済の設定が必要です。Lオペ for CLINICならLINEビデオ通話・電話音声通話でのオンライン診療に対応しており、別途システム導入が不要です。

Q. オンライン診療で処方できる薬に制限はありますか?

初診のオンライン診療では処方日数に制限があります(原則7日分まで)。再診では対面診療と同等の処方が可能です。向精神薬・麻薬等の一部薬剤はオンライン診療での処方が制限されています。

Q. オンライン診療の診療報酬はどのくらいですか?

保険診療では対面診療より低い点数設定ですが、自費診療であれば自由に価格設定が可能です。通院負担の軽減による患者満足度向上と、遠方からの新患獲得を考慮すると、十分な収益性が見込めます。

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